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美の壺
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ライカは工芸品だ。


美は細部に宿るという言葉があるが、
金属の質感、丸みの手触り、歴史と伝統の刻印、そのどれもが素晴らしい。
職人が、ひとつひとつを手作りで、というフレーズもまんざら嘘ではないと思う。
ボディ、レンズ、そしてアクセサリーに至るまで、
秀逸で美しく、モノとしての所有欲をくすぐる。

特に古いものには価値がある。

骨董品と同じで、今ではもう同じものが作れない。
なんといっても絶対数が限られている。

ピカイチ(全くの新品同様の品、未使用品に準ずる品)がもて囃されるのは当然だ。
その筋の方々の間で、右から左へと言い値で取引がされる。
美しさがそのまま保存されているということが奇跡なのだから仕方が無い。

年季が入って傷や凹みのあるものもそれはそれでアジがある。
道具として考えた場合、こちらの方が気兼ねなく使えるという意味で優れている。
私の手元に残っているのはそうした中古訳有り品が多い。

「古臭くて、汚くて、使いにくそう、そんなのどこがいいの?」

そんな声が聞こえてくる。
他人にはなかなか理解されないことかも知れない。

でも、趣味とはそんなものだ。

# by kurobei-leica | 2010-09-02 00:00 | leica