ズマロンというレンズは、いまではもう販売されていない。 ライカの進化の過程で絶滅してしまった哀しいレンズだ。 その名を冠するのは3種の広角レンズのみ。 所謂赤ズマロンと呼ばれる2.8cmF5.6、8枚玉そっくりの外観をした35mmF2.8(ニッパチ)、 そして今回紹介する3.5cmF3.5のサンハンだ。 サンハンには前期型のLマウント(A36)と、M3以降に出たフィルター径39mm(E39)の二つがあり、 そのレンズ構成は同一である。 更にこのE39は仕様によって、Mマウント50mm枠、M3用眼鏡付き、M2対応35mm枠スカート付き、 Lマウントの4種類に区別出来るが、これらは短い期間内に製造されており、どれもそう数は多くは無い。 Summaron 3.5cm F3.5 E39 (L) そのスペックから、地味な印象のズマロン。 同じ35mmでも、ズミルックスのように開放でのボケがどうだとか、 ズミクロンのようにやっぱり8枚玉は、などといった伝説・神話には程遠い。 しかしライカの絶頂期に作られただけあってその作り込み、存在感は現行品をはるかに上回るものだ。 諧調豊かで柔らかい描写には根強いファンも多い。 モノクロを詰めたバルナックにねじ込んでやると、外連味はないが信頼できる相棒となる。 やや曇りやすいのが玉に瑕だが・・・。
by kurobei-LEICA
| 2012-10-17 18:00
| leica
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